根管治療は非常に精密さが求められる治療であり、治療環境や方法によって再発率に大きな差が生じます。
一般的に、日本の保険診療で行われる根管治療では、初回治療(抜髄)の成功率はおよそ30〜50%程度とされ、再発や再治療が必要となるケースが比較的多いと報告されています。
さらに、再治療(感染根管治療)では成功率が低下し、20〜40%程度にとどまるとされています。
〒194-0034
東京都町田市根岸町1018-7
根管治療とは、歯の内部にある神経や血管(歯髄)に問題が生じた際に行う治療の総称です。
大きく分けて「抜髄」と「感染根管治療」の2つがあります。それぞれ治療の目的や歯の状態が異なります。
抜髄とは、むし歯が深く進行し、歯の神経に強い炎症や痛みが生じている場合に行う治療です。
感染や炎症を起こしている神経を取り除き、根管内を清掃・消毒したうえで薬剤を充填します。
主に初めて神経を取るケースで行われ、適切に治療が行われれば予後は比較的良好とされています。
感染根管治療は、すでに神経を取った歯や、過去の根管治療後に再感染を起こした歯に対して行う治療です。
根の中に残った細菌や感染物質を取り除き、根管内を再度清掃・消毒し、再感染を防ぐ処置を行います。
根の形が複雑である場合や、感染が進行している場合には、治療に時間や回数を要することがあります。
神経を除去した歯であっても、歯の周囲の組織に炎症が起こると痛みを感じることがあります。
また、噛み合わせの問題や根の先での再感染が原因となる場合もあります。
といった症状がみられる場合、歯の神経(歯髄)が細菌に感染している可能性があります。
このような状態では、歯を残すために根管治療が必要となることがあります。
保険診療では、使用できる器具や材料、1回あたりの治療時間に制限があるため、治療を複数回に分けて行う必要があり、結果として治療期間が長くなることがあります。
一方、自費診療では、マイクロスコープなどの精密機器や高性能な器具・薬剤を使用し、1回の治療時間を十分に確保できるため、症例によっては通院回数を少なくできる場合があります。
根管治療は、保険診療と自費診療のいずれでも行うことができますが、治療環境や治療内容にはいくつかの違いがあります。
それぞれの特徴を理解したうえで、患者さまのご希望や歯の状態に応じた治療方法を選択することが大切です。
保険診療では、国の制度に基づき費用を抑えて治療を受けることができます。
その一方で、使用できる材料や器具、1回あたりの治療時間には一定の制限があります。
一般的には、治療を複数回に分けて進める必要があり、症例によっては治療期間が長くなることがあります。
また、肉眼や拡大鏡を中心とした治療となることが多く、マイクロスコープやラバーダム防湿などは必ずしも標準的に使用されるわけではありません。
自費診療では、治療方法や使用する器具・材料に制限がないため、より精密で再発リスクを抑えた治療を行うことが可能です。
マイクロスコープを用いた拡大視野での治療や、ラバーダム防湿による無菌的な処置、高性能な洗浄・消毒システムの使用など、治療精度を高めるための環境を整えることができます。
また、1回あたりの治療時間を十分に確保できるため、症例によっては通院回数を減らすことが可能です。
保険診療は費用面の負担を抑えたい方に適した治療方法です。
一方で、再発リスクをできる限り抑えたい方や、難易度の高い感染根管治療、再治療が必要な場合には、自費診療が適しているケースもあります。
当院では、歯の状態や治療の難易度、患者さまのご希望を十分に伺ったうえで、それぞれの治療方法について丁寧にご説明し、納得いただいたうえで治療を進めています。
根管治療は非常に精密さが求められる治療であり、治療環境や方法によって再発率に大きな差が生じます。
一般的に、日本の保険診療で行われる根管治療では、初回治療(抜髄)の成功率はおよそ30〜50%程度とされ、再発や再治療が必要となるケースが比較的多いと報告されています。
さらに、再治療(感染根管治療)では成功率が低下し、20〜40%程度にとどまるとされています。

一方、海外(特に米国や欧州)では、マイクロスコープの使用、十分な治療時間の確保、厳格な無菌管理のもとで治療が行われることが一般的です。
その結果、初回治療の成功率は80〜90%前後と高く、再治療においても40〜60%以上、症例や治療条件によってはさらに高い成功率が報告されています。
このような差は、使用する医療機器、治療にかけられる時間、感染対策、術者の専門性などの違いによって生じると考えられています。
マイクロスコープや歯科用CTを併用し、肉眼では確認できない細部まで把握したうえで、精密で再発しにくい治療を行っています。

根管治療の成功率を高め、再発リスクを抑えるためには、細菌をできる限り取り除き、再び侵入させない環境を整えることが重要です。
当院では以下の点を重視して治療を行っています。
根管治療は、歯の状態を正確に把握したうえで、段階的に進めていきます。
治療内容や回数は歯の状態によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
状態によっては、根管治療によって歯を残せる可能性があります。
すぐに抜歯を決断する前に、一度ご相談ください。

マイクロスコープは、最大20倍以上まで拡大できる歯科用顕微鏡です。
肉眼や一般的な拡大鏡では確認が難しい根管の内部や細かな構造まで把握できるため、より精密な根管治療が可能となります。
ラバーダム防湿とは、治療する歯だけをゴムのシートで覆い、唾液や細菌が治療部位に入らないようにする方法です。
主に根管治療など、細菌対策が特に重要な治療で用いられます。
歯髄保存療法(しずいほぞんりょうほう)とは、むし歯が深く進行している場合でも、可能な限り歯の神経(歯髄)を残すことを目的とした治療です。
神経を残すことで、歯本来の強さや感覚を保ち、歯の寿命を延ばすことが期待できます。
歯の神経には、痛みを感じるだけでなく、歯に栄養を供給し、外からの刺激に対して防御反応を示す重要な役割があります。
神経を取ってしまうと歯はもろくなり、将来的に割れたり、再治療が必要になったりするリスクが高くなります。そのため、近年では「できるだけ神経を残す治療」が重視されています。
感染したむし歯の部分のみを慎重に取り除き、神経に近い部分は必要以上に削らず保護します。その後、歯髄を保護する薬剤を用いて封鎖し、細菌の侵入を防ぎます。無菌的な環境で正確な診断と処置を行うことが、治療成功の鍵となります。
歯髄保存療法はすべての症例に適応できるわけではありません。
症状や歯の状態によっては、後に痛みが出たり、神経を取る治療が必要になる場合もあります。そのため、適切な診断と経過観察が重要です。
歯根破折とは、歯の根が縦または横に割れてしまう状態を指します。肉眼では確認が難しく、診断が遅れると歯を保存できなくなることもあります。
歯根破折は、レントゲン検査だけでは診断が難しいケースも多くあります。当院では、必要に応じてマイクロスコープを用いた拡大視野での診察を行い、歯の内部や歯ぐきの境目を詳細に観察します。
これにより、肉眼では確認できない微細なヒビや破折線を捉えられる可能性が高まり、より正確な診断につながります。

破折の位置や範囲、歯周組織の状態によって、歯を保存できるかどうかが決まります。
早期に正確な診断を行うことが、歯を残せる可能性を高める重要な要素となります。
状態に応じて、抜歯、部分的な保存治療、補綴治療など、適切な治療方法が選択されます。